クロネコメール便リニューアルの影響は

ヤマト運輸メール便実質値下げ・郵政公社に対抗


 ヤマト運輸は10月、メール便の料金を実質的に値下げする。料金の基準を重さから大きさと厚さに変え、最も高い料金を310円から240円に引き下げる。需要が最も大きいダイレクトメール(DM)や通販カタログなどの大半は1冊あたり160円以下になる見通しで、日本郵政公社冊子小包の最低料金180円を下回る。料金改定で取扱数を高め、郵政公社に対抗する。


 メール便は企業が消費者にDMを送ったり、通販業者のカタログ送付などに使われる。ヤマトの2005年度の取扱数は04年度に比べ21.1%増の約17億冊で売上高は約1200億円。一方、郵政公社は大口割引を拡大した結果、冊子小包の05年度の取扱数は同50.5%増の約18億冊になった。ヤマトは料金改定でシェア拡大を狙う。今後、郵政や佐川急便も値下げに追随する可能性もある。

現行の重量制からサイズ制に価格体系を改め、お客様の利用頻度の高いサイズをより低価格でご提供できるようにいたしました。

マスコミ各社は「実質値下げ」と報道していますが、新料金体系を見てみると、せどらーの使い方では値上げになるケースも出てきますね。

現在、メール便は原則、翌日配達している。コスト削減のために仕分け拠点を減らすことで、配達には数日間かかるようになるが、同社は企業のニーズは低価格にあると判断した。

これはミクシィに載っていた毎日新聞の記事の抜粋ですが、送達日数も伸びるということで、速さでも佐川ゆうメールとそう変わらなくなりそうです。


そうなると、10月以降の各輸送手段の優位性を比較してみると、クロネコメール便は契約がなくてもコンビニ等で気軽に利用でき、日曜配達と追跡サービスがある。冊子小包はサイズ、重量の自由度が高く、ポスト投函可能、基本的に翌日〜翌々日には配達可能(メール便より早いが、価格はちょっと高め)。佐川ゆうメールは契約が必要なものの、コストパフォーマンスはピカイチ、サイズ、重量は冊子小包と同様というところでしょうか。


思うに、いままでのクロネコメール便は、顧客獲得のためにある意味採算度外視でサービスをしてきた側面があるが、ヤマト運輸自身「基幹事業にすべく〜強化を図」ると言明していることから、今後はメール便事業単体でも収益が確保できるスタイルにしていくということでしょう。そのために、DMやカタログ配送に最適化したシステムにするのが最良と判断したのかもしれません。そうなると、通販業者のような超大口顧客に対しては割引を継続していくとしても、せどらーのような中小口利用者に対しては、定価で販売していき、利益を確保していくという流れになっていくのでしょうか。