昔ながらの古本屋さんその2

昨日の古本屋めぐりについてちょっと具体的に書きます。


1軒目は、外観、店の広さ、在庫量ともに典型的なお店。店頭に均一ワゴンがあるが、本の内容、状態ともにマケプレで「可」で出すのもはばかられるレベル。
店内の品揃えは満遍なくという感じ。一般書は在庫が回転していないブックオフの105円棚レベル。それを定価の3分の1くらいで販売。専門書や全集、それからいわゆる黒っぽい本は、ただ古いだけで内容的には現代では使えないもの、類書だらけのものという感じ。郷土史関係はそれなりに充実していたが、リアル店舗では売りにくいであろう。新書、文庫も大半が20世紀のもので、新しくて3年前くらいのが少々。


洋泉社新書を1冊、200円で買う。声をかけると店主とおぼしき初老の男性が奥から出てきたが、「200円です」という声もか細く、元気がないような感じでした。
3軒廻ったうちでは一番深刻な印象を受けました。


2軒目は廻ったうちでは一番小規模。ここは品揃えは歴史、骨董関係に特化していて一見して店主のこだわりを感じる。江戸時代の和本や古文書、骨董品もあつかっていた。店主は50歳代くらいの男性。物静かだが暗い感じはしない方。ただ店頭のみの売上では明らかにきつそうな感じ。趣味でやっている店なのかそれとも独自ルートで捌く方が本業なのか。


3軒目は店の広さは一番広い。ここでも初老の男性(たぶん店主)が店番。品揃えの広さは1軒目の店くらい多岐にわたるが、質量ともにこちらのほうが上という印象。それでも一般書に関してはブックオフのそれより劣る。専門書関係は1軒目と五十歩百歩。岩波文庫に、あまり見かけないようなものをそれなりにそろえていました。あと、黒っぽい本、堅い本の背を見ながら悦に入っていて、ふと下を見るとエロ雑誌が平積みに(笑)。調子がくるうので、エロ関係はまとめて置いていただきたいと思いました。


お客さんはどの店でも私だけ。まあ平日の午後だから仕方ないのかもしれないが、だからといって夕方や休日にはにぎわうという感じには見えませんでした。リアル古本屋に関しては、東京あたりの老舗や新機軸を打ち出している若手の店など一部で頑張りが見られるものの、それ以外の普通の古本屋はこんな感じが普通なんでしょうか。私が高校生のとき、古本屋通いをはじめたころは、まだブックオフもなく、こうした普通の古本屋ばかりまわっていたので、こうしたお店の現実の大変さを見ると、物悲しくなってしまいました。打開の道はあるのか?