うさぎ書林さんの古本屋開業講座

古本屋開業講座で80分ほど話をする。

参加してきました。


会場に着いて、開始までの間、いただいた資料を読んでいたら、うさぎ書林さんに挨拶されました。恐縮です。


話の内容としては、ネット古本屋を開くのに最低必要な準備の中身に始まり、仕入れ、販売方法についてはかなり詳細に説明がありました。


うさぎ書林さんは昨年は仕入れの8割以上が買取だったとのこと。買取依頼の多くは、内容を聞いてみると昔の文学全集や百科事典などの値段がつかないもので、お断りすることが多いとか。その辺は買取の苦労をするところでしょうか。
しかしながら良質の買取に当たればブックオフには落ちていないような本が比較的低コストで手に入るということです。


まだまだ一般の古本屋で、ネット上での買取告知に力を入れているところは少ないそうで、ブックオフなどの大手新古書店系列では買い叩かれるので持ち込みたくない、かといって神保町の老舗古書店では門前払いされたといった層の人たちが、結構依頼をしてくるそうです。
一般買取のノウハウについては、具体的な話をいろいろ聞くことができて、私にとっては一番の収穫でした。


販売方法については、うさぎ書林さんが自サイト売り一本でやられているということで、自サイトを持つことの優位性を強調しておられました。特定の分野に特化することで、その分野に関心がある顧客を集客しやすい(検索サイトで上位になりやすい)、外的要因に影響されにくい(例えばアマゾンが倒産とかしたら、アマゾンに依存していた場合行き場を失う)ということです。
あと薄利多売に走ると時間が割かれるし、価格競争にも巻き込まれやすいということで、客単価をあげて梱包、発送業務にかかる時間を少なくして、その分他のことをいろいろできるようにすることを提案されていました。


私はうさぎ書林さんの路線とは正反対の、大手サイトでの大量出品、薄利多売路線を確信犯的にやっているので、その辺の立場は大分異なりますが、私のやり方は万人にお勧めできるものではないので、ひとりで楽しみながら古本を売っていきたいという人にとっては、うさぎ書林さんのアドバイスのほうが普遍的なのかなという気がします。


販売方法の工夫についても、今すぐにでもマケプレ売りにも応用が利きそうな点がいくつかありました。近い将来、アメリカの本家アマゾンで採用されている、出品者毎に出品一覧がならび、まとめ買いがしやすいシステムが日本にも導入される可能性も考えれば、自サイト系の手法を学ぶのは益があることと思います。


参加者は20人ほどで、20〜60代の男性でした。私より年上の方のほうが多かった気がします。現にネットで古本売りをしている人は私を含めて数人だったようで、多くは興味があって、これから始めてみたいという感じのようでした。