ネット書店のマーケットは広がるか?

アマゾンのある米国において、2000年当時のリアル書店の売上は24921億円だったと推定されています。対してネット書店の売上は2106億円。その後急成長したネット書店の現在の売上は3276億円。1100億円の増加で約1.5倍にマーケットが拡大しています。ですが、米国ではリアル書店の売上も上がっているのです。現在は31356億円で6000億増です。少なくとも米国ではアマゾンの勃興がリアル書店の売上減につながらなかったということになります。


対して日本では、2000年当時40億にすぎなかったネット書店の本の売上が、現在400億円と10倍の規模になりました。額で言うと360億円の増加になります。対してリアル書店側では、23926億円あった売上が22078億円に落ち込んでいて、1848億円のマイナスとなっています。つまりリアル書店はネット書店の売上増加分の5倍もの売上を落としているという計算になります。


これはどういう事か。現在の日本のリアル書店の不振は、ネット書店との競合が本質的な原因なのではなく、それ以上に自分自身の抱える問題点が原因で、消費者の支持を失いつつあるということになります。ということは、淘汰されるにせよ、ネットによる駆逐とは言いがたいという結論になりそうです。

日本のネット書店、5年間で売上10倍化ですか。


リアル書店の不振が、それ自身に起因するのだとすれば、ネット書店の需要がさらに増えることが期待できそうです。しかしながら、それにとどまらず、慢性的な出版不況が根底にあるであろうことを考えれば、全体のパイが減るということになるので、ネット書店の伸びも天井知らずというわけにはいかなくなりますね。


ネット書店の利便性が、全体のパイの縮小の歯止めになれば良いと願うものですが、それにはもっとシェアが伸びて、業界内での影響力が強くなる必要があるようです。


個人的には、アマゾンをはじめとするネット書店はまだまだ成長すると思いますし、またそうなってもらわないと私も困るところですが(笑)、このような歴史的時期にネット古本売りに関わることができるのは、とてもやり甲斐があると感じています。