「在庫1%の法則」語録

「在庫を増やせばもっと売れる」なんて、少なくともそんな根拠のない幻想に惑わされちゃいけないんですよ。

確かに在庫を増やしさえすれば売れ行きも伸びるんだったら、ブックオフへ行って105円本を棚ごと買ってきて出品すれば良いわけですが、そうはいきません。
かぴぱら堂は現在、出品数ランキング(10万点超の出品者を除く)では100位前後で、それよりたくさん出品しているところがたくさんあるわけですが、取引数(評価数から推測)はうちより少ないところの方が多いです。大量出品者はたいてい薄利多売の品揃えですから、単価もうちと同じ程度となると、うちよりも売上が上がっていないということになります。


それなりに選んだ在庫を増やすのだったら、それなりの成果が出ると思います。うちも低レベルながら選んで仕入れているつもりですが、どうなんでしょうね。

んー、これはマケプレカンブリア紀に生まれた言葉ですね。マケプレ草創期、携帯チェッカーがなかった頃、アマゾンが既存の古本屋に営業をかける前、今では1円固定のベストセラー駄本が定価の半額くらいで売れた頃に生まれた言葉。当時やってた人(もちろん素人)が「大体在庫=出品数の1%は売れるよね」と。「在庫の1%も売れないのは本の選定が悪いよ」というのを暗に含んだ言葉でもあった。

当時の環境を反映した言葉ですね。

まぁ、わたしは在庫の0.4%売れれば満足です。1%も売れたら大変。

かぴぱら堂は、1日に在庫の0.2〜0.6%売れます。1%なんて売れたことはありません。今月の平均値は0.4%くらいです。

残念ながら統計をとっていないので記憶で書くけど、1年半前と比べ出品者数は5倍になっている。また、その出品数も増加の一途だ。これははっきりと覚えているのだが、昨年の秋自分の出品数が1500を超えたとき、上位500位内に入っていた。現在500位の出品数は2800点である。1500点だと909位にしかならない。状況はこれだけ変化している。そんな法則など何の気休めにも目標にもならない。

そんなに出品者が増えているのですね。出品数と順位との関係でいえば、せどらーも着実に増えているということがわかりました。ただ私の記憶が確かならば、出品数1万点で100位前後というのは、あまり変わっていないようです。

ウチには出品してから1年以上たってる在庫が約2500くらいあります。
超不良在庫ですね(笑)。

「なぜリストラしないのか?」
と、ときどき聞かれます。

理由は、
その超不良在庫の生む利益が月間約10万ほどあるからです。
あと、出品を取り下げるのが面倒だからということもあります。
本の置き場所に困ってないからできることかもしれません。
自宅等の空き部屋を誰かに貸して利益を得ようとすると、
自分のテリトリーに他人が出入りすることになりますし、
借り手を探すのも困難でしょう。
そこで、超不良在庫を利用して月々10万ほどの利益を得る。

例えば、在庫スペースに余裕が無いばあい。
賃貸で借りても2500くらいの在庫を置くためのコストはせいぜい、
月2〜3万くらいのものでしょう。
ウチのような超不良在庫でも、差し引き7〜8万儲かりますね。

もちろん効率も大切ですが、
追いかけ過ぎると利益の絶対額が減る気がしないでもありません。

うちも事情は同じようなものです。
あと、犬が靴を集めるがごとく、収集癖のあらわれでもあります。もう趣味の領域です(笑)。
でも普通に趣味をやっているだけではお金が出ていく一方ですが、古本売りは少ないながらも喰っていける程度の収益は生み出せますから、これは隠れた経済効果だと思います。

効率化を極めすぎると仕事が単調になり、面白みがなくなります。面白みがなくなると仕事にやる気が出なくなり、それが一番売上げが落ちる原因になったりします。
(中略)
この商売をはじめて6年。効率悪いことしていて、あんなんで儲かってるのかなぁと思っていた人も、みんな、まだ続けていますね。
1%の法則が――って言ってるのが楽しいってことでしょう。まぁ、逆に、そんなのないと言うのも楽しいとも言えるのですが。

私の遠征の行き先は、東京近辺よりも地方が多いです。効率を最重視すれば、東京23区をしらみつぶしに廻る方が良いのでしょうが、何となく足が北の方へ向かってしまいます。運転好きなので、数分で次のBOに着いてしまうのが物足りないのです。
私にとって遠征は、うちの業務の中でもとりわけ趣味性が強いですが、それ故に飽きないのかなとも思います。