値下げスパイラルの影響と対策

以前より値下げスパイラルの話題は出ているのは承知していますが、ここ1ヶ月ほど、なんらかの「自動価格調整ソフト」を使っていると思われる出品者が急激に増えたなあと実感してます。(ちなみに私は今もって出品用アカウントから手作業でやるか、たま〜に時間に余裕があればMLCも使って調整します。)ほんとここ1ヶ月で急激にです。以前なら私の出品数に対しての比率も微々たるものでほぼ無視できるような影響しかなかったのですが、その比率の増大とともに売れ数が微妙に落ちてきていて、確実に影響が出てきているなあと感じます。
私も使ったほうがいいのかなあと迷い始めたところなんですが、失礼ながら低価格帯中心のかぴぱらさんにも相当打撃が及んでいるのではないかと推察するのですが、やはり今後とも手動での調整でやっていかれるんでしょうか?
これだけ急激に増えたのは例の「アリさん」のようなソフト以外になにかできたんですかね?寡聞にして知りません。モルクさんじゃないですが、個人情報を囲い込まれるのにはやっぱ抵抗あるんですよね。もっと気軽に導入できるものがあればすぐに飛びつくんでしょうが。。迷いの只中にいます。ご見解を伺えたら幸いです。

ガメラさんよりコメントいただいた件で、私見を書いてみようと思います。


私は「ここ1ヶ月で急激に」というほどには感じないものの、いわゆる「値下げスパイラル」の傾向が進行しているのは感じています。ただ、そのために売上高や売上冊数が落ちているという感じはしません。うちの場合、売上が落ちるのは、出品や価格調整ができていないときであり、それらができていれば、やった分だけ数字が上がるからです。


上の記事に、データが残っている2004年9月以来の平均単価をまとめてみたのですが、確かに年間平均でみれば、今年は下がっています。しかし、月ごとにみると、昨年の同時期より良い月もあり、ばらつきもかなりあるので、値下げスパイラルの影響が顕著に出ているという段階ではなさそうです。


私が感じるのは、新規参入者の増加で、仕入れやすい本、誰でも仕入れたいと思うようなような本は価格下落が激しいが、あまり見向きもされないような本はそうでもないかなということです。その見向きもされない本を仕入れるのが結構好きで、そのために遠征までして力を入れているのですが、当然、足の遅いものが多いです。そこで在庫数でカバーしています。見向きもされないものは、競争も激しくありません。そのせいか、うちは1ヶ月ぶりの価格調整なんていうような、かなりさぼっているときでも、在庫の3分の1は常に最安値です(もっとも、1円本の在庫が多いのも影響していますが)。


2004年の段階では、仕入れのほとんどが105円単行本でした。その後、105円の新書・文庫や、大型本・雑誌等に対象を広げました。105円の単価下落の対策としては、数をこなすことと、高価格仕入れ高価格販売の本で補うことで、いまの単価を維持しています。もし、2004年と同じようにやっていたら、売上単価は現在の半分以下でしょう。


値下げスパイラルと価格調整ツールとの関係ですが、値下げスパイラルの本質的原因は出品者増加と出品数増加にあると考えます。ツールの普及は値下げスパイラルの加速につながっているとは思いますが、ツールがなければ値下げ競争はなかったのにとは思いません。


確かにツールまかせにしているせいか、無駄に値下げしている例は増えたなあと思います。私がMLCを使いつつも、価格設定を手動でしているのは、最安値でなくても売れそうなものまで安くしすぎるのを防ぐためです。でも手間を考えたら、ツールまかせで最安値のほうが効率が良いという見解も当然ありでしょう。


上手くまとめられなくて恐縮なのですが、値下げスパイラルの傾向は今後も続くでしょうし、それを嘆いたところでどうにもなりませんから、私としては、あえて値下げ競争に巻き込まれながら売る分野と、競争に巻き込まれない分野を組み合わせながら稼いでいきたいと考えています。