見えない敵はどこ

せどりの競争激化を語る際に、せどらーの増加、それに伴うせどれる量の減少というのは欠かせませんが、仮に現在、自分が行くBOにライバルせどらーがひとりもいなかったとしたらどうでしょう。確かにその店でせどれる品は独り占めできるので、仕入れ可能量は増えるでしょう。でもその量は私がせどりを始めた2004年と比べたら、良くて数分の1、もしかしたら10分の1以下かもしれません。出品数も出品者も少なく、大手出品者といえば高原書店くらいしか無かったその頃は、105円棚から適当に仕入れるだけで定価の半額以上の値はつけられるし、バッティングする出品者もいないか、いても数件程度。いまはせどらーが出品しようがしまいが、それを上回る勢いで大口出品業者が怒濤の勢いで商品を集め、どんどん出品し、最安値競争に走るので、せどらーが拾う前にすでに暴落している商品が当たり前になっています。出版界の大量出版大量販売傾向のため、出回っている古本は一部の需要のある本と、大多数の需要がなくなった本。その古本の海から値段のつく本を拾い上げる作業がせどりを含めた古本仕入れ作業。ここまで書いて何となく潮干狩りを連想しました。手っ取り早く入場できる有名潮干狩り場でいくばくかの成果はあるものの大漁は見込めず大混雑の中で隣の人にぶつかりながら探すのか、自分だけの穴場を探してそこでゆっくり探すのか、はたまた漁業権を取得して舟に乗って大漁をねらうのか…。海から帰り道の直売所なり魚屋やりスーパーで入手する手もあります。「昔はあの浜辺は人も少なく貝取り放題だったのに…」と有名潮干狩り場の混雑だけ見て「貝は取れなくなった」という結論にはならないんじゃないんかいという話です。