あえて高く仕入れる

ある古書店主から聞いた話ですが、30年ほど前、東京にせどりを生業にする人達がいたそうです。財布には常に10万円以上の仕入れ資金を持ち、毎日都内の古本屋をせどりしてまわっていたとのこと。売り先は専門古書店や、組合の市場。良い本が安くたくさん仕入れられる店では、あえて付いている値段に上乗せして支払ったりしていたそうです。黙っていれば安く買えるものをなぜわざわざ高く買うのか。高く買ってもらえれば、そこの店は引き続きそういう商品を集めてくれるようになるからです。ブックオフ相手ではこの手は使えないでしょうが、個人経営の店相手だったらいまでも利用の余地はあるかもしれません。

あるネット古書店主は、店主の専門分野の本はどこよりも高く買い取るのだとか。その結果リピーターのお客さんが増えて、良本がたくさん集まるようになったそうです。

ブックオフのセール。最近はあまりの混雑にわざわざ行くことはしなくなりましたが、たまたまセール前日に良本に出くわした場合、翌日買うことはせずに、その場で買ってしまいます。良本だったら通常価格で仕入れても十分儲けは出ますから、セール時に先を越されることを考えたらそのほうが確実に利益を取れるからです。

時にはあえて高く買うことができるかどうか、せどりを続けていく上でひとつのポイントになるような気がします。