高く仕入れるばかりが能じゃない

昨日書いたことと矛盾するような内容ですが、今度は買取についてです。
「高価買取」。代表的な宣伝文句で、本当に高価買取している店から、単にハッタリで言ってる店までさまざまなので、あまり信用されていない言葉でもあります。

かく言う私も「高価買取」という言葉は使いません。私がつける査定価格は、単品で見ればもっと高い値段をつける業者がいくらでもいるような値段です。なので単品査定もしません。その代わり値段が付かない本も含めて一括引取、荷造り搬出も当方でやるというサービスを提供することで帳尻をあわせる感じです。単品査定をするのはほとんど宅配便買取のところなので、荷造りはお客様がしなければなりません。千冊以上の単位になるとそれは容易なことではないので、そこに買取価格よりも労力軽減を優先するニーズが発生します。実際、宅配便買取専門の同業者から、自分のところでは対応できないからと、大量出張買取希望のお客様を紹介していただいたことが何回もあります。

そんなかぴぱら堂ですが、法律書買取に関しては古書業界最高水準の査定をしているのではないかと自負しています。といっても元の定価を考えればすごく安く見える査定価格になってしまうので、お客様の心情を考えたらうちは高く買ってるよとは言えません。ただ法律書メインの買取をしている古本屋じたいが少ないのと、組合の市場でも特定の有名銘柄以外の法律書の相場が極めて低いことを考えると、合い見積もりになっても勝てる価格では査定しているかなと思っています。それができるのは、多少なりとも法律書の売買経験を積んできた結果、市場では値段がそれほど付かないけれども、実はネットでは高く売れる法律書を知ることができたからです。

とかく買取は他店より1円でも高く買わなければお客が集まらないのではないかと思われている節があるようですが、価格以外のニーズも多種多様です。価格競争に参加せずとも、買取という仕入れ手法はまだまだ開拓できる可能性がひろがっているのではないかと思うのです。