長野門前古本市2日目

5日も午前9時過ぎにホテルを出発。車を会場近くの駐車場に止めて即売会場のカネマツ入り。講演会仕様だったのを椅子を片付けワゴンを元に戻して、古本即売会場に復帰させ、10時前には開店。山梨の山峡書房さんと私の妻との3人で店番。10時過ぎに、昨日も来た東京の友人夫妻が差し入れをもってまた来てくれました。カネマツ内の「カフェ・ラバーソウル」で朝食を食べたいとの由。食事のできあがりを待つ間、山峡さんも交えて5人で談笑。この間は遊歴さんのお母様が店番。早速当店の棚から合計6000円ほど買っていただいたお客様が出現で幸先の良いスタートに。前日と同じく11時過ぎからお客様が増えていく感じ。お昼頃団地堂さんも到着。午後1時頃に店番を交代してもらって、団地堂さんと山峡さんとかぴ夫妻で昼食を食べに外出。一箱古本市会場へ行ったら、岡崎武志氏が一箱の「岡崎武志堂」の店番をしていました。そこで昨日即売会場の団地堂さんコーナーから買ったという絵はがきを自慢される。見せていただくとどれも昭和30年代の物で「高さ333メートル東京タワー」「原子の光・東海原発」「東京オリンピック」という、現時点での話題ともリンクする絶妙なセレクト。それから一回りして、妻はある一箱出品者からトートバッグを買ってました。つぎに蕎麦を食べようということで門前通りの有名店に行ってみたら案の定大行列だったので、団地堂さんが、地元民しか行かない穴場のおいしい蕎麦屋に案内してくれるとのことで、付いていきました。迷路のような車も通れない幅の路地裏を、猫に出くわしたり、一見廃墟にみえる現役の建物を横目に見ながらうろうろ。権堂アーケードに出てしばし歩くとそこはイトーヨーカドー長野店。団地堂さんに付いていくと地下へ降りていくので、「まさかポッポじゃないでしょうねえ」と釘を刺すもはぐらかされ、着いた先はポッポも入居しているフードコート。ここに善光寺門前の有名蕎麦店小菅亭の支店「こすげ亭」があったのでした。見た目はどうみてもフードコートのチェーン店、教えてもらわなければわかりません。値段は本店より安めでしたが、味はしっかり本格蕎麦で、量も多め。満足しつつ外へ出てアーケードへ。昔ながらの映画館や中華料理店があったりして、昭和の雰囲気をいまだに残している様子を写真に撮りながら歩いていたら、向こうから岡崎武志氏が歩いてきます。一箱の店番を終えて東京へ戻るとのことで最後のご挨拶。それから北上し、団地堂さんのお店にお邪魔。古本屋ツアー・イン・ジャパンでも面白おかしく紹介されていますが、想像以上に店内商品のカオスな配置っぷりとディープな品揃えにびっくり。本だけでなく、紙ものとか何だかよく分からないガラクタもたっぷりの店内で早速せどり開始。そうしている間にもお客さんが次々とご来店。年配の常連客と団地堂さんとの会話がこれまたディープで端で聞いててニヤニヤ。20分ほど滞在して10数点の本だの紙ものだの弁当箱など買って、領収書をお願いすると、店名印がなく手書きで書いてました。マーケティングとか動線とかという概念が一切ないお店。でも不思議な魅力があるお店でした。こんな店でも商売ができるという古本業界の奥深さを再確認しました。会場に戻ると3時近く。ほどなく、長野のせどり仲間が奥さんと娘さんを連れてご来店。差し入れもいただいたので、いただきつつしばし談笑しながら商品をみてもらいました。そうこうするうちに早くも閉店時間の4時に。まだ遊歴さんが一箱会場から戻らないし、お客様も滞在しているので、閉店せずに様子見。4時半過ぎに遊歴さんが戻ってきて、少しずつ片付け開始。まだ滞在しているお客様にそれとなくセールストークしながら片付けしていたら、閉店後なのに4000円くらい売ってしまいました。三々五々と他の出店者も集まり、それぞれ片付け開始。結局うちは一番量が多いので、片付けも最後までかかりましたが、午後7時過ぎには出発することができました。行楽の帰り車に混じりながら午後10時半頃には鹿沼インター着。それから宇都宮まで足を伸ばして、味噌ラーメンを食べて、日付が変わるころ帰宅し、長い一日がおわりました。

今回の門前古本市、遊歴書房さんも書いていましたが、イベントとして大成功を収めたと思います。まず集客がうまくいきました。とくにプロ古本屋が出店した即売会のほうは会場がメイン通りから外れていることもあり、お客様にどれだけ来ていただけるか見当がつかなかったのですが、2日間で延べ500人ほどご来場いただきました。この動員数は私も参加している定期即売会の中央線古書展にも引けを取りません。今回はお試し的要素もあって、各店ワゴン1台ずつの合計9台(うちはワゴン外にも並べましたので、実質は合計10台分でしょうか)なので、売上的には各店経費を賄う程度でしたが、会場はその気になればワゴン20台〜30台は並べられるので、そうすれば売上は2倍〜3倍も可能。さらに品揃えも今回の経験を踏まえ、改善の余地が多々あるので、さらなる売上増加も見込めます。次回開催時には、商売として立派に成立する古本市に育てられる確信を持ちました。一箱古本市の出店者も多数買いに来ていただけたのは、一箱と同時開催した相乗効果といえましょう。お客様の傾向としては、デパート展や古書会館での即売とくらべて、いわゆる古書マニアは少なく、通りすがりの観光客など一般のお客様が大多数で、日頃古本に接することも少なく、せいぜいブックオフ止まりという感じの方が多かったので、昔の雑誌や絵本、明治時代頃の刷物など歓声を上げながら面白がっていただくシーンもよく見受けられ、こちらも古本屋冥利につきました。年齢層も幅広く、通常の古本市にくらべると女性、若い方、家族連れのお客様が目立ちました。こうしたイベントを通じて、日頃古本と縁遠い方々にも古本の楽しさを知っていただくことが、将来のお客様を増やすことにつながるであろうという思いを新たにしました。また今回知り合った皆さんとのつながりから、次の商売の展開につながるヒントもいろいろもらえました。あまりに濃密な3日間だったため、いまなお余韻が冷めやりません。