目先の関心事とその先の関心事

FBA問題のせいか、当ブログのアクセス数が一昨日夜以降から普段の2倍になっています。その関係では有益な情報を書けず、いつもながらすみません。

もっとも、情報屋さんに顕著だと思いますが、「有益な情報をお届けします」とか書いている人の情報で、本当に有益だと思えるのはどれくらいあるでしょうか。もちろん「値札の上手な剥がし方」レベルでしたらたくさんあるでしょうが、例えばその情報が数十万、数百万規模の稼ぎに繋がるとか、さらにはその情報を得たことで商売の方向性をも左右する、もっといえば他にはない独自性を身につけるのに役立つようなものはそうそうないと思います。そしてそういう情報はえてして、「お役立ち情報」の顔をせずに現れるものです。同じことを聞いても大抵の人が聞き流してしまうようなことだったりします。それをキャッチするためによく「アンテナを高くする」といいますが、それだって思っているだけでは難しい。思考力も多少は要りますが、それ以上にその分野で様々な経験を積むことが不可欠であると思うようになりました。

私は組合に入った4年前から、「日本古書通信」を購読しているのですが、実ははじめの頃はたいして面白いとも思わず、「積ん読」時期が続きました。熱心に読むようになったのはここ1年余りのことです。そうなるとバックナンバーを読んでも面白い。ということは、この3年かかって「面白い」と思えるようになる準備期間だったのかなと。どんな記事が面白いのかというと、例えば和本ネタなんかはいまでもわからないので、以前ほどではなく読むことは読むけど面白いという域まで達していなくて、やはり業界ネタがいちばん面白いです。で、書いている人が知人同業者だったりすると、読んで知った「あの人はこういうこと考えながら商売しているのか」ということと、私が直接見たその人の商売の具体例とが結びついて、ひとつのノウハウのようなものが浮かび上がったりするのです。こんなこともありました。先日ある同業者がブログで、商売上の手法に関する重要なヒントになることを書いていました。商売のノウハウについてはガードが堅い人なので、ほんのさわりしか書いていませんでしたが、その手法がいまでも役立つというのがわかっただけでも大収穫です。なぜわかったのかというと、数年前に別の同業者から似たような話を聞いていて、それと結びついたからです。こうして知る情報は、ただ文面で教えてもらっても本質まではわからない、自分自身がいろんなことに挑戦することによってはじめて理解できるものなので、たとえ文面でその情報が流失したところですぐ影響があるわけではない。私の知る範囲で(せどらーでも古書組合員でも)結果をだしている人は、多かれ少なかれそういったものを持っています。そして外的要因で今回のFBA手数料値上げのようなことがあっても、軸足がぶれることがありません。だれでもその気になれば、その領域への第一歩は踏み込めるはずなんですが、実際はどうなのでしょうか。