失敗のないところにいい話はない

エーブック日記の「市場仕入れ、買取仕入れ」を併せてお読みください。

土曜日の私の仕入れ内容についていくつかコメントいただきましたが、実際はそのご想像を超える良質の内容です。それに、今回の内容すら上回る買取は、いままでも年に1、2回はやっています。もちろんその影には儲からなかった仕事も多々あり、その中で最大規模なのは、5年前くらいに手がけた4万冊の閉店物件まるごと買取です。これは運良くすぐ引き取り手が見つかったから良かったようなものの、それでも経費を差し引いたら儲けはありませんでした。商売的には失敗だったものの、いまではいい思い出になっています。数ある失敗を重ねたおかげで、問い合わせの段階で明らかに難しい案件は断れるようになったので、あからさまに赤字の仕事はなくなりました。それでも問い合わせのうち半分以上は断り、受けた仕事の中でも本当に儲かったなあと思えるのはこれまた半分以下というのが買取仕事の現実でもあります。この同じ現実を、儲からない仕事が大半だから割が合わないとみるか、その中でも年数回でも大当たりがあれば十分美味しいではないかとみるか、それは人それぞれです。

市場に関しても、活用法しだいで使える場にもなれば使えない場で終わったりもします。名古屋や長野の市場が活性化しているのは周知の件ですが、栃木でも私が加入した数年前にくらべると、市場での出来高が倍近く上昇しています。理事長が先頭に立っていろんな人に呼びかけて市場に来てもらう努力をした結果、県内組合員はほぼ全員出席するようになり、他県からの来場者も増えました。せっかく出品物をもって来ていただいたからには、持ち帰りにならないようにと積極的に買うようになり、それならばと市場に持ち込んでもらえる商品も増えるという構図です。もちろんこうして仕入れたものの中には、仕入れ値以下の価格でしか換金できなかったものも少なくありません。しかしトータルすれば当店で使える仕入れが増えています。

全体的な現状が厳しいから自分の商売が厳しくなるのは不可避と見るか、こういう時だからこそ積極的に仕掛けて自分にあう仕入れなり販売方法を確立するために動けるか、大きな分かれ道になってくると思います。