その稼ぎ方に伸びしろはあるのか

私は古本売りをはじめて8年経ちますが、ある一定の売上に到達すると、なかなかそこから上に行かないという経験を何度かしています。自分では「(月商)60万円の壁」とか「100万円の壁」とか呼んでます。壁にあたっている時は、いままでの稼ぎ方の延長では克服するのは難しいので、稼ぎ方に何らかの質的な変化を取り入れる必要があります。

いまも正直いうと壁にあたっている状況で、こいつは手強く2年くらい格闘しています。まず第二の売上の柱をつくるために即売会に参入したのが2年前なのですが、前にも書いたように軌道にのせるのに時間がかかり、即売会に手を取られる分、ネットの売上が下がってしまう現象が起きたのが、壁を克服できない原因のひとつになってきました。これについては今夏ようやく克服できそうです。つぎに、即売会に時間を割くと、ネットにかけられる時間が減るわけで、それをどのようにカバーするかが問題です。従業員を雇ってやらせるという選択肢もありますが、私はそれはしたくなかったので、商品単価を上げて取扱数を減らす道をとりました。その結果、今年の4月以降は安定して平均単価2000円以上を実現。単価は低かった時代とくらべると約4倍、発送数は最盛期にくらべると4分の1に減りました。発送数もこれだけ減ると、あと2倍増やしてもいまの体制で対応可能です。即売会も売上を伸ばせたのは、高単価商品を増やしたことにありました。

ネット(アマゾン)の平均単価を上げる取り組みも2年前から始めまして、具体的には値崩れしにくい専門書(とくに法律書)をメインにするということ、値崩れしやすい一般書は積極的に取り扱わない(高ランキングのものだけ入荷したら出品、それ以外はBOなどに売ってしまう)という方法です。そのためただでさえ遅かった商品回転率がさらに遅くなり、出品してもなかなか売れないという時期が続き、売上が伸び悩むというか、以前より落ち込むくらいまでになってしまいました。何度か回転本重視に回帰しようかと考えたこともありましたが、そこを我慢して続けた結果、ようやく在庫の層が厚くなってきたのか、数年前に出品した高単価の商品が売上を支える柱のひとつになりつつあります。専門書を増やした結果、客層も変わりリピーターや公的機関からの注文が増えて、理不尽なクレームを受けるようなこともなくなりました(不愉快な本屋さん以外の)。

いまネット上で「せどりでこんなに稼げる」的な情報が蔓延していますが、それらの手法ではある程度までの売上は出せるでしょうが、そこから先の伸びしろはあるんでしょうか。その手法は5年先10年先も使えるのでしょうか。すぐ結果がでる手法はすぐに駄目になり、時間をかけて確立した手法は、その手法を基礎としてさらにバージョンアップできる可能性を秘めているような気がする今日この頃です。