ノウハウ売りは儲かるのか

同業者知人に1週間のデパート催事で200万円以上売り上げる人がいます。現状ではその売上はデパート催事では確実に上位クラスです。その人がもし「デパートで1週間に200万円売り上げる驚異の方法」なんて情報商材を100ページで2万円で出したら、買って読みたい気がします。100部売れたら200万円。でも書き上げるのに1ヶ月くらいかかるとしたらどうでしょう。その時間を仕入れに費やした方がもっと稼げそうですし、本人もそのほうが楽しいでしょう。もの凄いノウハウを持っている人は、それを公開して金を取るより、そのノウハウを使って自分で稼いだ方が儲かるわけです。それにデパートで売るノウハウなんて、いかにも敷居が高そうで(実際はその気があれば参入は割りと簡単ですが)あまり興味も持たれなさそうです。それよりかは、せどりとか海外かどこかの問屋から仕入れて転売のほうが簡単にできそうなので、関心をもってもらいやすく、売りやすいノウハウになるのでしょう。

あとノウハウは人のやり方をそのまま使えるというのはあるレベルまでで、より高いレベルを目指すのなら自分の経験や考えを加味していく必要があります。文章や口頭で伝えられるノウハウには限りがあるということです。10年前くらいに、司法書士受験界では有名講師の竹下貴浩氏の話を聞いたことがあるのですが、氏は「司法書士試験に受かる秘訣を教えてくれとよく質問されるが、教えられない。それは金(授業料)を払わなければ教えないとかいうことではなく、自分でやらなければ本当のところはわからないからだ」という趣旨のことを言っていた覚えがあります(記憶で書いているので不正確かもしれませんが)。その時はそんなもんか程度の受け止めだったのですが、いまとなって深く実感しているところです。

まとめると、もの凄いノウハウは文章化して売っても割りに合わないから商材になることはない、ノウハウで文章化・言語化できるのはある程度までで肝の部分は自分で会得するしかないといったところです。あと、もの凄いノウハウを持っている人と仲良くなると、言語化できる範囲なら惜しみなく教えてくれる場合が多いです。凄い値段のノウハウを買うより、凄い人がいる環境に自分を置いたほうがえるものがありそうです。