開業ノウハウ本

副題が「書店・古書店を独立開業するためのアイデアとノウハウ」となっていますが、一般的なハウツー解説ではなく、実際に独立開業した人へのインタビュー記事が主体になっています。新刊書店・古書店あわせて10人ほどの店主が登場しています。


いわゆる「こだわりの(古)本屋」の話なので、はじめた経緯とか、どんなことを考えながら経営しているか、各人それぞれで面白かったです。


こだわればこだわるほど、自分のやりたいこと、趣味を全面に押し出すほど、採算的には合わないようですね。本に対して節操がないブックオフがあれだけ成長したのも納得です(笑)。まあでも、自分の趣味の費用を自給自足していると考えれば、そう悪いものでもないのでしょう。


私の場合、もともと本好きで、高校生の頃に古本屋もなんとなくいいなあ程度に感じていたりしたのですが、さりとて、深い思い入れがあるわけでもなく、平均よりは多く読んでいるとは思いますが、いわゆる読書家といわれるような人が読んでいるような本はあまり読んでなく、本に対してどこか醒めている面もあるので、この本に出てくるような人たちのお店は、一度くらいは行ってみたいとは思いますが、憧れたり、自分でやってみたいとは思いません。私は、売れる本なら何でも扱うという現在の自分のスタンスが気に入っています。


聞いた話によると、本に思い入れが深すぎる人は古本屋に向かない、商売人の視点で本を扱えなくなるからなんて見方もあるらしいですから、私はなるべくして、せどらーになっているのかもしれません。