『大金持ちも驚いた105円という大金』

大金持ちも驚いた105円という大金

大金持ちも驚いた105円という大金

せどり老人さんが書かれた本、早速読ませていただきました。
結論からいいますと、これはせどりノウハウ本ではありません。せどり老人さんが、どのようなきっかけでせどりを始め、どんな本をどのような思いで仕入れたかを通じて、ひとりの男性の再起の過程が描かれている本です。せどり老人さんのせどりは、とてもオーソドックスなものなので、ものすごい秘策や奇策が書いてあるわけではありませんから、そういったものを期待する読者はきっと失望することでしょう。また、安易にせどりを進めるような浮ついたことは一切書かれていません。題名が、おそらく編集者がつけたのでしょうか、センセーショナルなものになっており、その辺は私も違和感を感じるところですが、読んでみると文章も読みやすく、偉ぶったところなく等身大の著者が描かれているような印象を受けました。なお、「105円〜」という題名ですが、著者は105円本以外の本も結構せどっていますのでその辺も誤解なきよう。


せどりノウハウ本ではないと書きましたが、実際に背取った本が、売値と仕入れた理由とともに多数紹介されています。これが興味深いです。といっても高額商品リストとしてではありません。すでにせどり的には安くなっている本もあるかと思います。それでも興味深いのは、どのような判断基準で仕入れたかが追体験できるからです。これはせどりを楽しんでやられている方には、自分のせどりの判断基準と比較して読むこともできますし、また共感できる点も多いのではないかと思いました。隣のせどらーはどんなことを考えてせどりをしているのか、ある意味下世話な興味関心がある方だったら、ひとつのケーススタディとして楽しく読めるのではないでしょうか。