市場は古本屋の大学

長野市の遊歴書房さん。30代の若い古本屋さんですが、門前古本市を主催したり神保町古書モールに進出したりして、とても店舗を開業してまだ1年とは思えない精力的な活動ぶり。市場でも質の良い本を結構いい値段で仕入れています。


市場は古本屋の大学(遊歴書房さんブログより)


組合に入るのを躊躇する理由として「人づきあいが煩わしい」というのはよく聞きます。せどらーにしてもオフ会とかにも参加せず、同業の知人もなく全くひとりでやっている方は多いようです。なかには「ただでさえ競争が激しいのにライバルとつるむなんて、そんなお花畑な関係は拒否する」なんてのも聞いたことがあります。
でも私は、この商売で真剣に結果を上げたいのなら、良い同業者とのつきあいは必須と考えます。その理由は遊歴書房さんが書かれた通りです。古書組合内のつきあいは、他の業界や会社内でよくあるつきあいにくらべたら、かなり自由な雰囲気だと思うのですが、どうも堅苦しいところだと誤解されている節が多く、残念に思います。


市場での同業者の売り方、買い方は、その同業者の商売のやり方や金額の規模を反映しています。例えばネット上だと実際は売上そんなにないのに「月収100万です200万です」と言いたい放題することができますが、市場ではそれができません。買い方をみれば、その業者がどのくらいの規模の商売をしているのか見当がついてしまうだけに、怖いところでもあります。しかし売上の大小だけが古本屋の優劣を決めるわけではない。商売の規模は小さくても、面白い特徴あるやり方をしている人もいたりして、そういった人からも学ぶべき点はたくさんあります。自分ひとりで気付くことなんてたかが知れています。私の知る限り、実績を上げている人は、自分より年下でも業界歴が浅い人からも情報を吸収して、自らの血肉にしています。そういう姿勢は是非見習っていきたいと思っています。